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誰もが憧れるロマンティックな水上バンガロー。タヒチが発祥の地といわれ、波の影響を受けない環礁の島ならではの建造物です。
1967年タヒチで水上バンガローを最初に考え、建てたのは3人のアメリカ人でホテルオーナーでした。彼らは「バリハイ・ボーイズ」と呼ばれ、ポリネシアの伝統的なバンガローを水辺に組ませ、コンクリートの支柱の上に乗せる形で水上バンガローを建てました。

今やアジアリゾートでも人気の水上コテージですが、タヒチの水上バンガローがリゾートの発祥であり、万人の憧れの地であるのは、何世紀も前の航海時代の冒険家にとっても、現在の私たちも同じかもしれません。

水上バンガローでしか楽しめない“カヌー朝食サービス”や お部屋のテラスから直接シュノーケルを楽しんだり、夜もテラスで南十字星や流れ星観察をしたり、そこに居るだけで心が満たされ、幸せな気持ちになれる、楽園と呼ぶに相応しい場所がタヒチの水上バンガローにあります。

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紀元前3~4世紀頃、 東南アジアから南太平洋への民族大移動により、トンガやサモアなど南太平洋の島々に定住が始まり、紀元後10世紀まで大遠征は継続され、タヒチの島々をはじめハワイ、イースター島など南太平洋のほとんどすべてに人々が住み始めたといわれてます。

16世紀になるとヨーロッパの大航海時代が始まり、マゼランがツアモツ諸島の一部を発見したのを皮切りにスペインの冒険家がマルケサス諸島を訪れ、18世紀にはイギリス、フランスの探検家も相次いでタヒチに上陸しました。
タヒチの島々は首長国に分かれていましたが、、バウンティ号の反乱、有名なキャプテン・ジェイムズ・クックによるタヒチの美しさ・優雅さがヨーロッパに伝わり、タヒチに魅了されたヨーロッパ人宣教師の布教活動も行われ、1793年にポマレ王朝が始まり、1797年にタヒチの王国としてポマレ王朝が樹立しました。

その後、イギリスの捕鯨船、フランス軍の遠征などにより、タヒチの生活様式は大きく変化することとなり、ついにはタヒチの島々を統治する権利を巡りイギリスとフランスの争いや、1844年にはタヒチvsフランスの戦争を経て、1847年勝利したフランスの保護国となりました。
1880年には、ポマレ5世がフランスへの併合を受諾しポマレ王朝は終焉を迎えることとなり、1958年にはタヒチの118の全ての島がフレンチ・ポリネシアと呼ばれ、フランスの海外領土となりました。

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北のハワイ、東のイースター島から西のタヒチ、南西のニュージーランドを、ポリネシアン・トライアングルと呼びます。
ポリネシア文化のトライアングルは、太平洋の真ん中の三角地帯にありますので、でそれぞれかなり距離があることも想像頂けますが、東南アジアから移り住んだ人々が更に南太平洋の島々に移住し受け継がれたものと信じられています。

文化、言葉、食物なども似たものが多く、ハワイのアリガトウは、マハロ(Mahalo)タヒチのアリガトウは、マゥルル(Mauruuru)
タヒチのボラボラ島には、INTERCONTINENTAL LE MOANAと言うホテルがあり、ハワイのホノルルには、MOANA SURFRIDER と言うホテルがあります。
有名なイースター島のモアイ像も長方形の顔が一般的ですが、タヒチのティキに似た、丸い顔のものもあったり、カヌーやタトゥーなどの伝統文化、ハワイのフラダンスはタヒチアンダンスがルーツともいわれ、ハワイが発祥の地と思われているサーフィンも実はタヒチだという説もあるほど。

同じ太平洋にありますが、グアムは「ミクロネシア」。
ニューカレドニアは、タヒチと同じフランス領ですが、カルチャーは異なり「メラネシア」になり、言語も文化もタヒチとは異なります。

理想の楽園を求め続けた画家ポール・ゴーギャン

タヒチで制作されたゴーギャンの大作「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」。芸術の集大成であり、精神的遺言ともいうべきこの作品で、ゴーギャンが描こうとした思い、伝えようとしたメッセージは何だったのでしょうか。
文明から逃れ未開人として暮らすことで芸術の新天地を開こうと、ゴーギャンが初めてタヒチを訪れたのは1891年。パペーテから50kmほど離れたマタイエア村に移り住み、素朴な生活に溶け込もうとしたゴーギャンは、13歳の少女テハアマナとの同棲によって次第にタヒチの生活の根底にあるものを掴んでいきました。精力的に作品づくりに没頭したゴーギャンは、タヒチで制作した作品を抱え、1893年、希望に満ちてフランスに帰国。しかし、作品は当時の美術界では受け入れられず、深い挫折を味わうことになりました。もうフランスに未練はない、と考えたゴーギャンは二度と祖国には戻らないという決意で、1895年、再びタヒチをめざしました。
二度目のタヒチではプナアウイア村に居を構え、今まで以上に制作に打ち込むものの、健康状態が悪化。1897年には追い打ちをかけるように娘の死の知らせが届き、絶望の淵に沈んだゴーギャンは「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」を遺作として完成させ、自殺を図るが未遂に終わります。
その後しばらく制作活動から離れていましたが、1901年、最後の気力を振り絞り、タヒチ島から遠く離れたマルケサス諸島ヒヴァ・オア島へ理想の楽園を求め移り住みます。タヒチ島ほど文明化されておらず、未開の静けさを残していたヒヴァ・オア島で再び制作の意欲を取り戻すと、その地を終の棲家と定め、残されたわずかな時間を画架に向かい続けました。そして、「文明」と「野蛮」の狭間で最後まで人間の根源を問い続けたまま、、ヒヴァ・オア島で54歳の波乱に満ちた生涯を閉じました。ヒヴァ・オア島アツオナ村の高台に、今もゴーギャンは静かに眠っています。
ゴーギャン終焉の地となったヒヴァ・オア島にはお墓が建立されているほか、復元された住まいメゾン・デュ・ジュール(愉しみの家)や、作品(複製)を展示した記念館があります。
また、初期に移り住んだタヒチ島には、ゴーギャン博物館(複製展示)、マタイエア村には礼拝に訪れたという珊瑚と石で築造されたタヒチ最古の教会「サン・ジャン・パティスト教会」があり、ゴーギャンの足跡を辿ることができます。
ゴーギャンが求め続けた理想の楽園とは。ゴーギャンが生きた場所、空気を感じて、その答えを見い出すことができるかもしれません。

  • ヒヴァ・オア島のゴーギャン記念館

  • ヒヴァ・オア島のゴーギャン記念館展示品

  • アトリエ「愉しみの家」の復元(ヒヴァ・オア島)

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  • サン・ジャン・パティスト教会(タヒチ島マタイエア村)

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亜熱帯海洋性気候に属し南太平洋に位置するこの島には、一年を通して色鮮やかな花々が咲き誇り、トロピカルフルーツがたわわに実る大自然が残っています。緑深い山と環礁に守られた穏やかで透き通ったラグーン。タヒチは豊かな自然の恵みにあふれた「地上の楽園」です。
タヒチ空港に降り立った途端に、人々は花の優しい香りに迎えられ、一気に日常から解き放たれます。中でも、サマセット・モームが「ひとたび、この花の香りを嗅いだものは、再びタヒチに帰ってくる」と書いたほど、かぐわしく香りを放つお花がタヒチの国花ティアレ・タヒチ。
タヒチでは誰もがこの花を髪に飾っています。タヒチの固有種であるこの花は、多くの歌でも親しまれ、「ティアレ・タヒチの日」(12月上旬)には装飾コンテストも行なわれています。
タヒチの人々は男女問わずお花が大好きです。自然豊かなこの島では、お花はマナーであり文化として大切にされています。

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花弁の数が一定ではないのが特徴で1本の木に6弁から8弁と、花びらの枚数が違う花が咲く。中でも8弁の花は珍しく「幸運の印」とされている。

タヒチの花と植物

一年を通して色鮮やかな花々が咲き誇り、緑深い山谷には豊かな果実が実るタヒチ。
美しい海と風にそよぐ椰子の木々。海辺のティアレや道ばたで揺れるハイビスカス。真っ青な空には色とりどりのプルメリアがまぶしく映え、谷間にはアウティやジンジャーが背を伸ばしています。そして夕暮れどきにはティアレやジャスミンの香りがあたりにふんわり漂います。
「花の島」タヒチでは、花や植物の持つみずみずしい生命のパワーに満たされて、深い安らぎの時間がゆっくりと流れていきます。

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  • ティアレ・タヒチ

  • プルメリア

  • モネット

  • ヘリコニア

  • ハイビスカス

  • ジンジャー

  • ブーゲンビリア

  • フランボヤン

  • ハス

  • プーラウ

  • ジャスミン

  • イランイラン

植物&果実

  • ココナッツ

  • ウル

  • ノニ

  • モンステラ

  • アペ

  • シダ

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  • タロ

  • バナナ

  • パパイヤ

  • パンダナス

  • バニラ

大自然のヒーリング・パワー

ポリネシアの人々は古くから植物の持つパワーを医療や美容にうまく活用してきました。その代表的なものが「モノイオイル」や「タマヌオイル」です。
ティアレ・タヒチとココナッツオイルから作られるモノイオイルは、保湿作用と保温作用があるとされ、南国の強い日差しから肌や髪を守るほか、海からあがったとき、冷え込む夜、風邪をひいたときなどに塗って治すこともある万能オイル。他の植物のエッセンスを加えて軟膏にすると、マッサージや肌の治療薬として使用でき、ポリネシアでは伝統的にタウルミと呼ばれるモノイマッサージが行われてきました。このタウルミ・モノイの技術は、現在、スパのメニューのひとつとして高級リゾートなどで体験することができます。
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タヒチの人々の暮らしは太古から変わらずこうした自然の営みとともにあります。

島それぞれの個性豊かな自然と産物

モーレア島のパイナップル

温暖な気候ゆえに植物や果実がぐんぐん育つタヒチ。
獲れたての果実から絞るフレッシュジュースは最高においしく、中でもパイナップルジュースは絶品です。「クイーン・ポマレ」というパイナップルから作られるもので、この産地であるモーレア島はパイナップル・アイランドとしてパイナップル栽培が盛んです。コンフィチュール(ジャム)にも加工され、ホテルの朝食ビュッフェには必ず並んでいます。

タハア島のタヒチアンバニラ

タヒチの土壌によく合う植物で、もうひとつの重要な産物がタヒチアンバニラ。
バニラ・アイランドと言われるタハア島を中心に栽培され、「褐色のダイヤモンド」とも呼ばれるほど、その価値は世界的にも高く評価されています。蜂のいないタヒチでは、受粉はすべて人の手で行うというとても丁寧な仕事が必要とされ、収穫後もサヤを1本1本マッサージしながら、4か月かけて天日干しするという繊細な方法で作られます。量産ができないうえに高品質を誇り、バニラの中でも最も香りの良い高級バニラといえばこのタヒチアンバニラ。地の利、時間と熟練の技の結晶です。

タヒチアンパレオ

古来、布がなかった時代には、タヒチの人々は「タパ」と呼ばれる樹皮布をまとっていました。これをPAREU(パレウ=巻きつけるスカートの意)と呼んでいたのがパレオの始まりで、タヒチの民族衣装として定着しています。
パレオは大きく分けると2種類で、染料に浸して染めた布に植物や花、貝などのモチーフを載せて強い日差しで干し上げる手染めパレオと、生地をパレットとして絵を描き、その後色付けを行う手描きパレオがあります。タヒチアンパレオは、ほかの太平洋上の島々で作られるパレオと比べて鮮やかな発色がとても美しいのが特徴で、花、植物、風景、魚、亀、タパ柄などがモチーフに多く使われています。
タヒチの人々にとってパレオは日常アイテム。離島では今でもこれが日常着です。手作りパレオは色や柄がどれひとつ同じものはなく、巻き方も100通りを超えると言われます。
青い空と海をバックに、自分スタイルのパレオでリゾート・ステイを楽しんでみては…。

【タヒチアンパレオの巻き方】

キュートな「サンドレス」はビーチで大活躍

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(2) 胸の前でしばり、両端を引っ張り、胸にフィットするように調節します。
(3) 両端を胸の形に合わせてかぶせ、わきから背中に通して結んで完成。

水着の上に着るユニークな「サンドレス」

(1) パレオを縦にして、胸の前で結び目を作り、両端を股下から通します。
(2)三角形になるように両端を広げ、おなかを包み、腰からお尻の上に通します。
(3)お尻の上できつく結んで完成。ショートパンツのように気軽に着こなすのがポイントです。

スリットがセクシーなロングドレス風

(1) パレオを縦にして、横が開くように巻く。わきの下で二度結びをします。
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(3) つまんだ布を二度しっかりと結びます。

脈々と受け継がれる伝統文化

タヒチには、古くから伝えられてきたマオリの伝統に加え、自然や風土に培われ独自に進化した文化が根付いています。これらの文化は歴史的にも非常に興味深く、その芸術的価値においても注目されています。

マラエ

キリスト教宣教師が入ってくる前のタヒチで一般的な信仰の神であったオロ。
戦いの神であり、後に豊穣や音楽などすべてをつかさどる神として信仰され、オロを祀る宗派は独自の集団「アリオイ」を形成していたとされています。このアリオイ集団が行っていた踊りや歌がタヒチアンダンスの起源で、徐々に人々の間でおおらかな信仰として定着していきました。その信仰のために建てられたのがマラエという神殿で、古代の人々はここで礼拝や儀式を執り行ったとされています。

聖なる地「ハバイイ」と信じられていたライアテア島は信仰の中心地で、ポリネシア全域から巡礼者が訪れ、大切な儀式にはクック諸島やニュージーランドからも親善使節が訪れたという最も代表的な遺跡、タプタプアテアのマラエ(、ユネスコ世界文化遺産に登録)がありました。
ソシエテ諸島の島々で遺跡として残っているマラエは、長方形の石垣で囲まれた土地に、アフと呼ばれる石で建てられた祭壇があり、神の崇拝のほか、戦闘の協議や勝利の祝賀、航海の準備、結婚の儀式などに使われていたようです。
「神話の島」として知られるフアヒネ島に遺跡の多くを見ることができ、フアヒネ島のマラエは、日本人考古学者でハワイのビショップ・ミュージアムに所属する篠遠喜彦博士によって発掘されました。博士のこの発見により、ポリネシア人は自分たちの祖先に誇りをもち、アイデンティティを取り戻すことができたのだと言い、フアヒネ島には篠塚博士の歴史的発見を展示するファレ・ポテエという博物館が開設されています。
精神的な力の源である「マナ」が宿ると信じられてきたマラエは、今でもみだりに足を踏み入れないタブーが生きる場所としてひっそりと存在しています。

カヌー

紀元前3,000~4,000年前、アジアから太平洋諸島に向かった勇敢な冒険者たちも使用したといわれるカヌー。
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小さな島が点在しているタヒチでは、今日でもカヌーは人々の日常生活に重要なものであり、ハネムーナー憧れの“カヌー朝食サービス”などにも使用されています。

年に1度行われるタヒチのお祭り=ハワイキ・ヌイでは、100隻以上が参加し、出発地のフアヒネ島から外洋を渡って、ライアティア島、タハア島を経由し、ボラボラ島までの過酷な77マイルを手で漕いで競う、世界最大・最長のアウトリガー・カヌーの国際レースです。

タタウ(タトゥー)

タヒチでは古来より成人や結婚など人生の区切りの儀式としてタトゥー(入れ墨)を入れる習慣がありました。主に社会的意味を示すとされていたと思われるタトゥーは、戦いでの功績、狩猟の成果など強さや勇気を表すものとして、また出身、部族、家系を表すものとしても使われていたようです。神からの贈り物と考えられていたタトゥーは「神聖さ」の象徴で、タトゥーのモチーフのいくつかは人間の持つマナを保護し、災いから守る力があるとされてきました。今でも多くの人が自らのアイデンティティの象徴としてタトゥーを入れています。タトゥーの歴史が最も古いのはマルケサス諸島で、マルケサスの言語でタトゥーは「パツ・ティキ(patu tiki)」と呼ばれ「イメージの刻印」、一種の表現手法を指すものでした。モチーフの多くはティキと呼ばれる神像から取り入れた幾何学的で象徴的な図形が多く見られます。

タパ

布がなかった時代に、タヒチの人々は樹皮をたたいてつくった「タパ」と呼ばれる不織布をまとっていました。また、身にまとう以外に、神への捧げものや結婚の証として、タパは宗教儀式には欠かせないものとして使われてきました。身につける人の社会的地位や階級を示し、古代宗教の神殿「マラエ」では、男性のみによって作られたタパで神様の彫像などを包んだとされます。
タパを作るのは女性の仕事とされ、パンの木やかじの木などの樹皮を剥いで水に浸してやわらかくした後に、木製の打ち台に乗せて、イケという棒でたたいて伸ばします。2~3日かけて20~30倍程度にまで伸ばしあと、そのうえに幾何学的な文様やティキ(神)などを描きます。
現代では、その伝統的な作り方や装飾技術は、マルケサス諸島の「ファツヒバ」島でのみ受け継がれています。

ティキ(木彫り工芸)

タヒチではあらゆるところで目にするティキ(神)像。
ティキの彫刻技術はマルケサス諸島を中心に受け継がれており、ティキにはポリネシアの精神性や宗教性が凝縮されています。
神話で語り継がれている創造主の長男を模したものだという説、初めて誕生した人間をかたどった繁栄と平和の象徴として作られたものだという説、土地を守るために捧げられた生け贄の人間の代わりに作られたものだという説、霊媒師に力を与える役割を持つという説など、ティキにまつわる伝説は地域によってさまざまで、その形や顔の表情も多種多様です。
また、ポリネシアン・トライアングルとして知られるイースター島のモアイ像は、ポリネシア民族の移動によって文化が伝搬したという説が有力で、初期のモアイ像にはタヒチのティキとの類似点が多数見られます。
マルケサスの人々はこの彫刻技術に大変秀でており、ポリネシアの精神性を表現するクラフトマンたちは、タヒチでは最も尊敬を集める存在であったと言われています。
「トウ」と呼ばれるシタンの一種やローズウッド、「ミロ」の木を使ったこの彫刻は、ティキのみでなく、戦いで使った槍や櫂などにも施されていました。彫刻の素材は木だけではなく、玄武石、サンゴ、骨、黒蝶貝などにわたり、さまざまな装飾品が作られてきました。
今では、各種置物やウメテという器、家具などにも、伝統的な模様や象徴的なデザインが彫られ、素晴らしい作品が産み出されています。

パーラウ&プープー(貝細工)

「貝殻の一枚は大きな天の半球となり空となった。もう片方の貝殻を砕くと、おびただしい数の岩と砂となった。そこに神は、大地や植物、海、そして人間を創った」
タヒチに伝わる神話の中で、世界の始まりは貝だったというものがあります。人々は、海からの美しい贈り物に、万物創生の小宇宙を見出していたのかもしれません。
タヒチでは、身につけることで危険から身を守ってくれると言い伝えられる貝殻は、人を見送るときやお別れのとき、レイとして首にかけその後の幸せを祈る習慣もあります。
黒蝶貝はパーラウ(PARAU)、小さな貝はプープー(PUPU)。パーラウ&プープー(貝細工)の伝統は、このような背景のもと受け継がれています。

ナティラア(手編み工芸)

自然をこよなく愛し、自然と寄り添う暮らしが根付いているタヒチでは、植物繊維を使用したナティラア(NATIRA’A)という手編み工芸が発達しました。ナティラアは主にオーストラル諸島リマタラ島、ルルツ島の女性を中心に受け継がれ、きめ細かい編み目が特徴の工芸品にその技術を見ることができます。
ペオレ(ファラ=パンダナスの葉の一種で棘がないもの)という素材の葉を数週間、天日で干して乾燥させ、用途に合わせて細く裂いて編み込んでいきます。
熟練者の細かい編み目は、まるでレース編みのように美しく、貴重な伝統工芸品となっています。タヒチでは、帽子、パニエ(かご)、敷物、アクセサリーなどとして日常的に生活の場面で使用されています。

ティファイファイ(Tifaifai)

ティファイファイとは縫い合わせるという意味の言葉で、キリスト教宣教師の妻たちによって布地とパッチワークの技術が伝わると、タヒチアンマミーたちは身近な植物や花などをモチーフに、独自の感性を加えてキルトに表現するようになりました。これがティファイファイで、ハワイアンキルトのルーツとも言われ、タヒチのインテリアや日用品として欠かせないものになっています。
昔は、王様の毛髪を大切に包んだり、肩車をするときに従者が肩に掛けたりと、特別なものとして使われてきたティファイファイは、今では結婚や赤ちゃんの出産祝い、葬儀に使われることもあるなど、人の生涯とは切り離せないものとなって日常的に使われています。
ポリネシアン・スタイルの結婚式では、このティファイファイで新郎新婦二人を包みこみ、永遠の愛を誓うという儀式が行なわれます。

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